理論と適用範囲


理論(りろん、Theory)とは
対象とする実験結果或いは現象の論理の法則性の構造を体系的に記述したもの。


 ーWikipediaより抜粋ー

今日では物理現象に限らず、コンピューターのアルゴリズムから社会現象に至るまで
あらゆるものが理論の対象になり、学として確立されている訳です。

しかしここで注意しなければならないことがあります。

 「理論には、適用範囲が存在する」

絶対的普遍的真理と思われる数学でさえ、
「推移律」や「数の可換性」などの公理によって適用範囲を限定し、
その枠の中で論理ゲームを繰り広げているのに過ぎないのです

しかし、理論はしばしば「全て」について言及しなければなりません
そこに理論と言うものの矛盾が存在します
限界を超えてOver Applicationを起こした理論は
奇妙な結論を導き出したり、時には破綻を来たします

物理学はある意味、このOver Applicationと修正の繰り返しです

それは、物理法則の適用範囲が法則自体から読み取れないからでしょう

古典論が煮詰まった19世紀、黒体放射やエーテル引きずり等
とうとうその理論では説明出来ない現象が見つかり始めました

様々な努力が為されたようですが結局古典力学の原理が見直され、
ミクロの世界は量子論に、マクロの世界は相対論にと
より大きな適用範囲を持つ理論にとって替わられます

ただこの新しい2つの理論が少しやっかいで、
時々お互いに矛盾した帰結を生むのです

適応範囲のスケールが違い過ぎるので当然と言えば当然かもしれませんが、
物理現象は一つですからこの2つの理論は調和しなければなりません。

既に特殊相対論の「特殊相対性原理」と「光速度不変の原理」は
「原理」ではないと疑われ始めているようです。

(これはトンデモとしての意味ではなくて、
低エネルギーでは近似法則として成立するが高エネルギー極限で破綻するという意味です)

量子論の「不確定性原理」も、多くの研究者によって様々な拡張が考案されています。

また、場の量子論における発散は「くりこみ」と呼ばれる技法で
対処療法的にしのいでいますが、個人的にはこれもOver Applicationのような気がします

これに対しても今までの物理を包含するようなさらなる理論が研究されています。

ただこうして見てみると、より大きな理論が次々と生まれて果てしないですね。


そう、

 「理論には、適用範囲が存在する」

ならば

 
全てについての理論は、存在しない」


ただこれには少し飛躍があって、第一行目で暗黙に
「(全ての)理論には、適用範囲が存在する」としています。

そのメタレベル理論も適用範囲を持つとすれば、第二行目を断言する事は出来なくなります

また、全てについては言及出来なくても、
この宇宙全体を包含するような理論くらいは構築出来るかもしれません。

この宇宙の外側に世界が無ければ、実質的にはそれが「全てについての理論」です。


どちらにしても、あまりにも大きすぎる問題に対しては
小さな人間は解答を保留する事しか出来ませんが。



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